試合会場:神戸フットボールパーク岩岡
マリノD 2-2 玉津B
マリノD 5-0 有瀬B
●コーチコメント
今日は、2部Aリーグ戦の第7戦と第8戦がありました。
ここまでリーグ戦は4勝2敗。最初に2連敗した後は4連勝で巻き返してきましたが、チームとしての目標である「西地区で4位以内」を達成するためには、今日の結果が非常に大事だということもあり、朝早くから集合して、気持ちの部分でしっかりとした試合が出来るように努めました。目標はいつも通り、「寄せ」の部分で負けないことと、今年通年の目標である「判断を迅速にすること」として臨みました。
第1試合は玉津Bとの対戦。GK柳原 DF宝満・杉下 MF出口・山口・田中・中川 FW大谷 という布陣。試合は開始2分、センターサークル付近でファウルを受けて得たFKを、中川がDFとGKの間に絶妙なキックを蹴り、抜け出した大谷がダイレクトで決めて先制。こないだの塩屋戦同様、素晴らしいスタートを切りました。ところが、わずか1分後、左サイドから崩され、グラウンダーのセンタリングをフリーの選手に決められてしまい1-1。これもまた、塩屋戦同様となってしまいました。決して気を抜いていた訳ではないと思いますが、大きなボールで展開してくる相手に対し、中盤の選手が戻りきれない展開がこの後も続き、なかなか自分達のリズムで試合をすることが出来ません。そんな中、7分には、ハーフラインを少し越えたあたりから、もの凄いロングシュートを決められてしまい1-2。チャンスも作る一方で、2対2の形を何度も作られる展開の中、終了間際には出口が高い位置でシュート体勢に入るなどの惜しい場面もありましたが、前半はこのまま1-2で終えました。
後半に向けては、田中→高野、出口→宮部と選手交代を行い、前からプレスをかけていくことと、積極的にシュートを打っていくことを指示して臨みました。相手のバックラインに簡単にボールを蹴らせないことが出来るようになり、ピンチの数は前半より大きく減りましたが、それでも思い切りのいいミドルシュートに何度も肝を冷やしました。攻撃の方は、中川からのパスで打開を図るものの、相手のプレスも早く、なかなか思ったように繋がらない展開でしたが、選手達の気持ちのこもった、体を張ったプレーから同点ゴールが生まれます。後半8分、右サイドを突破しようとした山口が一度はボールを奪われたものの、相手のキックの対して体を張ったことでボールは中央へ。中央のDFがクリアしようとしたボールに、今度は中川が体を投げ出し、こぼれたボールを宮部が押し込んで同点。選手達全員の気迫が生んだ、泥くさいけれどとても素晴らしいゴールだったと思います。終了間際には、DFの杉下がポジションを押し上げ、高い位置で何度もボールカットをし、最後まで決勝ゴールを奪いにいく姿勢をみせてくれました。結果として2-2で引き分けとなりましたが、決して下を向くような内容ではなかったと思いますし、むしろ、同点に追いついたことを、褒めてあげたいくらいの気持ちで試合を終えました。
第2試合は有瀬Bとの対戦でした。先発メンバーは、GK柳原 DF宝満・杉下 MF出口・山口・高野・中川 FW大谷とし、指示はいつも通りの内容で臨みました。開始早々から、相手の激しいプレーに躊躇してしまうところがあり、ボールをポゼッションしているのに、ドリブルもパスもどこか中途半端な印象を受けました。時間の経過とともに、少しづつプレーの精度が上がってきたものの決定的なチャンスを作るには至らず、反対に、相手の大きな展開に玉津戦と同じようなピンチの場面を作られるようになってきていたため、後半に向けた打開策を考え始めていた12分、相手中盤の選手が後ろに蹴ったボールに、中川が素晴らしい反応をみせ、GKよりも一瞬早く触ってゴール。ベンチから見ていても、先に触れるような位置にいなかった中川の、あきらめない気持ちが生んだゴールだったと思います。残り時間は膠着状態のまま、前半は1-0で終了しました。
後半に向けては、相手のロングボールへの対応として、DFを1枚増やして3枚(宝満・杉下・高野)にするとともに、疲れのみえ始めた山口・出口・大谷の代わりに、角・田中・宮部を投入。角と田中にはアウトサイドのケアと攻撃参加を、宮部には前線からのディフェンスをしっかりやるように話して臨みました。DFが3枚になったことで、相手のFWにボールが収まる前にカット出来るようになり、危険地帯での数的不利な状況は少なくなりましたし、角の効果的なボール奪取からもチャンスをつくり始めます。また、左サイドからは、田中が切れのある突破からシュートにいけるようになり、次第にこちらのペースで展開出来るようになってきた6分、角が自分で奪ったボールを、相手DFの間に見事なスルーパスを通し、抜け出した宮部が豪快に決めて2-0。さらに8分、右サイドで宮部のスローインから中川が中央に流したボールに、田中が飛び込んで3-0。右足でいけばGKに当たっていたと思いますが、左足で流し込んだ田中らしい冷静さが光りました。さらに1分後には、左サイドで得たFKを、田中が直接決めて4点目。ファーポスト側のサイドネットに決まる見事なゴールでした。ここで宝満→八巻。さらに1分後に中川→寺戸と交代。積極的にボールに絡むように指示をしました。12分には、田中が相手DFラインの裏に大きなボールを蹴り、完全に抜け出した宮部がキーパーも交わしてシュートを放ちます。これはポストに嫌われますが、そのこぼれ球に飛び込んできたのが角。バーに当たってゴールとはならなかったものの、長い距離を走って飛び込んできたところに、貪欲な姿勢と気持ちの強さを感じました。終了間際には、3点目と同じような位置から、またも田中が直接FKを決めて5-0。選手達それぞれが持てる個性を発揮してくれたおかげで、5つものゴールを奪い勝利することが出来ました。
内容がすごく良かったかといえば、疲れもある中で判断の遅さが目立ったこともあり、飛び抜けていい試合だったとはいえないかもしれません。しかし、途中出場した選手達が、自分の特徴をしっかりと出してチームを活性化させたという点で、このチームの新たな可能性が見えたとも思っています。1試合毎に強く、頼もしくなる選手達を誇らしく感じています。
これでリーグ戦は5勝1分2敗となりました。最終戦についてはまだ未定となっていますが、しっかりと気持ちを作ったうえでいいゲームをして、春のリーグ戦を終えたいと思っています。
あと1試合、勝って笑顔で終われるように頑張りましょう!